丸玉運送の玉山です。 大会出場の際等、 ディンギー輸送を必要とするユーザー皆様が 輸送に関するわかりにくい あれやこれやについて コラムを投稿させていただきます。 今回テーマは、 「複数の艇を効率よく運搬するには」 ディンギーといっても 日本国内で普及しているディンギーといえば、 シングルハンド級であればOP級やレーザー級、 ダブルハンド艇であれば420級、470級、スナイプ級、 でしょうか。 先日あるユーザ様から、 複数のディンギーを 効率よく(=費用を最も抑えて)運搬できる車両について教えていただけないか? とのご質問をいただきました。 頻繁に遠征するチームは、 効率良い積載パターン(艇とトラックの組合せ)を認識していると思いますが、 あまりトラックを利用したことのないチームは トラック(荷台)の大きさも今一つわからないでしょうから、 どんなタイプのトラックを選択すればいいのか わからないのも無理がないと思います。 弊社におけるディンギー輸送の主力車種は、 中型(4t)トラックと大型トラックになります。 ・中型(4t)トラック(荷台全長約6.2m、全幅約2.1〜2.3m、積載可能重量3t前後) *4tトラックには標準幅、セミワイド幅、フルワイド幅があり、約10cmずつ幅が異なる。 ・大型トラック(荷台全長約9.6m、全幅約2.35m、積載可能重量10〜13t前後) ディンギーの場合、 470級の艇体重量が約120kg(+艤装品重量)ですから、 中型トラック、大型トラックに複数艇積載しても過積載(重量オーバー)になることはほとんどありません。 また弊社の場合、 トラックチャーター料金制とさせていただいていますので、 合法内であれば何隻積んでもトラック1台のチャーター料金は同じです。 であれば、1台のトラックにできる限り、 たくさんの艇を積載いただいた方が、 ご利用者様はお得ということになります。 また複数艇積載する際の必需品が、 ディンギーを積み重ねできるラックになります。 ラックについては市販されているものから、 お手製のものまであり、 3〜5段積載できるものが普及しています。 ラックを使用することで、 荷台の空中空間を有効活用することができます。 例を上げると、 470級やスナイプ級であれば 中型トラックに3段ラック1基使用で3艇、 大型トラックに3段ラック2基使用で6艇積載が可能に。 レーザー級の場合、 艇の厚み(高さ)が470級に比べて薄い(低い)ので、 専用ラックがあれば、5段積載も可能。 その場合、 中型トラックに5段ラック1基使用で5艇、 大型トラックに5段ラック2基使用で10艇、 積載が可能となります。 ユーザー様ごと、いろいろな艇の組合せがありますので、 ここで全てを網羅したパターンを示すことは難しいですが、 運ぶ艇のサイズとトラック荷台サイズがわかれば おおよそどのタイプのトラックをオーダーすればよいのか イメージがつくのではないかと思います。 適したトラックがわからない場合、 お問合せフォームに ・艇種 ・艇数 ・準備できるラック(◯段積載、◯個) について記載いただければ、 こちらからご提案させていただきます!
月: 2019年12月
輸送距離と積降日時と運送費の関係
丸玉運送の玉山です。 日本国内のディンギー輸送について、 物流業者はわかっていても、ご利用者がわかりにくいあれやこれやについて、 コラムを投稿させていただいています。 今回は、 輸送距離と積込日時と受取日時の関係について 12月、1月、2月はヨット(ディンギー)レースも少ないため、 輸送の注文や問い合わせも比例して少なくなります。 そんな中、あるチームより見積りの問い合わせをいただきました。 今回はその問い合わせ内容と、 問い合わせに対する見解を回答させていただきます。 出発ハーバーから、お届けハーバーまで、 運搬距離約200kmの行程で、 平日16時にディンギーを積込み、 翌日(平日)16時に艇を受取りたいとのご相談内容でした。 実際に200kmという距離は、 仮にトラックが時速50キロで走行し続けた場合、 約4時間あれば到達してしまう距離です。 (高速道路を使って80kmで走り続ければ3時間弱) とはいえ、現実は信号待ちや交通渋滞、 ドライバーの休憩もありますので、 上記時間+αの時間がかかることになります。 +αの時間をどれだけみるかにもよりますが、 仮に4時間に対し、倍の時間を要したとしても8時間。 本来4時間、 余分を見ても8時間あれば到達する距離に対し、 16時に積み込んで、翌日の16時受取りという事は 積込地へのトラック到着から24時間後の受取りということになり、 運搬時間に加え半日以上、 トラックを占有し続けることになります。 上記行程であれば、 16時から積込に約1時間要したとした場合、17時に積込み完了し、 その後の4時間後は21時、また8時間後であれば25時となりますので、 その時間はヨットハーバーは空いておりません。 よって物流業者が希望する受取時間は翌日の午前中となります。 ご利用者様事情で荷台(=トラック自体)を長く占有し続ける場合は 本来の運搬費に加え、 別で積置費用(車両占有費)をご請求させていただくことになります。 追加で費用を請求させていただく場合は大変心苦しいのですが、 1台のトラックは月に何便も稼働することで売上を重ね、 その売上でトラックの経費やドライバーの給料を賄わなければなりませんので、 物流業者にも上記事情があることをご理解いただきたいのです。 弊社ディンギー輸送サービスでは、学生セイラーの利用者も多く、 きっと自分たちのスケジュールも優先したいが、 それ以上にコストを優先したいチームが多いのではないかと思います。 上記背景をご理解の上、 それでもお金に変えられない事情がある場合は、 別途費用が発生することをご理解の上、 お見積もり依頼をお願いします。 ただこの積込日時、受取日時の関係は、 輸送距離によっても異なってくるので少々ややこしくもあります。 コスト優先の場合は、 見積り依頼時にその旨、備考欄にご記載いただければ、 追加費用がかからないスケジュール案をご提示させていただいています。 今後とも業界事情ご理解の上、 ご利用いただけますようお願いします
どのサイズのトラックを選んだら良いですか?
つい先日、以下のご質問をいただきました。
ディンギーを◯隻運びたいが、どのサイズのトラックを選んだら良いですか?
この類の質問を年に数回はいただきます。
ディンギーを頻繁に運搬させていただいている我々業者からすれば、
即答できる質問なのですが、
あまり運搬(=遠征)をしない個人、団体からすると
わからないことなのかもしれません。
まずは、
ディンギーを保管、運搬する際、空中の面積を有効に使うため、
日本国内では3段積み重ねができるラックが普及しています。
3艇積み用のラックを使用すれば、1つのラックに当然3艇積載することが可能です。
そして、
一般的な4t(中型)トラックの荷台サイズは長さ6.2m、幅2.1~2.35m
一般的な10t(大型)トラックの荷台サイズは、長さ9.6m、幅2.35m
そのラックに積載されているディンギーが470やスナイプ(全長共に約4.7m)であれば、
・4tトラックにはラック1基(1〜3艇)
・大型トラックであれば(4〜6艇)
積載可能ということになります。
ただし4tトラックに積載する場合、
荷台長6.2mに対し艇の全長4.7mですから、若干荷台に余裕がありますが、
大型トラックに積載する場合は、
荷台長9.6mに対し、全長4.7m+全長4.7mになり、
艇同士の隙間を考えると、艇のバウ同士を互い違いにして積載する必要があります。
面積、費用面において、効率よくディンギーを運搬するためには、
まず正しいトラックサイズを選択することから
これまでトラックを使ってディンギーを運搬したことがない、
でもこれから運搬予定がある方は、
“◯隻運搬する場合は、どのサイズのトラックをオーダーすれば良いか?”
ディンギー輸送の基本中の基本なので、ぜひ覚えておいてください