に投稿 コメントを残す

ディンギー積載時の注意(大型トラック①)

前回はディンギー積載時の注意(4tトラック)がテーマでしたので、
今回はもう1つの主力車種、大型トラックについて。

昔は大型トラックといえば、
10トントラック(車両総重量20トン)のことを指しましたが
(おおよそ10トン積載できるトラックという理由でそう呼ばれていた)、

規制緩和により車両総重量25トンの大型トラックが製造されるようになり、
12〜14トンの積載重量が可能となりました。

この規制緩和された車両を増トントラックと呼びますが、
最近は大型トラック=(10トントラックではなく)増トントラックであることが多いです。

参考:車両総重量=車両重量+乗車定員×55kg+最大積載量
*車両総重量についての詳細説明は我々が所属する全日本トラック協会サイトよりご確認ください
http://www.jta.or.jp/coho/hayawakari/8.sekisai.html

4トントラックとは異なり、
大型トラックの荷台サイズ(全長、全幅)は
ダンプカー等を除けばほぼ同じです。

・荷台内寸 全長9.6m、全幅2.35m
*とはいえ車両毎に数cmの誤差はありますのでご了承ください。

ただ大型トラックで車種ごとに異なるのは、
荷台高さです。

道路法、道路交通法により、
荷台高さ+積荷高さが原則3.8m以内であることが定められています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・高床車  荷台高さ地上から1.3~1.5m = 積める荷物の高さ=2.5〜2.3m
・中低床車 荷台高さ地上から1.2~1.3m = 積める荷物の高さ=2.6〜2.5m
・低床車  荷台高さ地上から1.0~1.1m = 積める荷物の高さ=2.8〜2.7m

*上記積載可能な積荷高さについては荷台に屋根のない大型平ボデートラックの場合であり、
大型ウイング車への積載についてはまたの機会に解説したいと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ラックを使用しディンギーを3艇重ねて積むと、
積荷高さが2.5~2.7m前後になることが一般的です。
*高さはラックの仕様によって異なります。

積荷が高くなる、
また人力で積載する場合を考えると、
荷台の高さは低いにこしたことはありません。

ということはディンギー運搬で
大型トラックを使用する場合のベストチョイスは

『低床車』

ということになります。

ただ低床車は購入価格や維持費も他の車種よりも割高であったり、
希少車種でもあることから、
運送費が割高になったり、
そもそも車両手配がつきにくかったりします。

なのでユーザー様には
可能であれば高さの低いラックを保有(使用)いただき、
どんな車種でも積載できるよう
備えておいていただけたらありがたいです。

*ラックの高さにおいてもメリットデメリットがありますので、
 またの機会に解説したいと思います。

また4tトラックと大型トラックを選択する判断基準は
4tトラックはラックを使って3艇までしか積めませんので、
4〜6艇積載する場合は大型トラックを選択していただく必要があるかと思います。

*4tトラックに比べ大型トラックは最大で倍の艇数が積載可能ですが、
 運送費は倍にはなりません。

その他、艇の積み方等、注意点が複数ありますが、
続きは次号にて解説させていただきます。

========================================

このブログでは
ディンギー輸送の際、
我々物流業界人はわかっていても
ユーザー皆様が
わからないこと、わかりにくいこと
について解説していきます

========================================

私たち丸玉運送グループは
物流業界人として社会、人の役に立ち、
共に働いてくれる人材を募集しています
(ヨット部あります!)
>>募集要項はこちら

に投稿 コメントを残す

ディンギー積載時の注意(4tトラック①)

前回はディンギー各種運搬方法のメリットとデメリットについて書きました。


今回は物流会社を利用する際の
運搬に関するあれやこれやについて書いていきたいと思います。


一概にトラックと言っても
軽トラックからトレーラーまで幅広くありますが、
わが社のディンギー運搬の主力車種は
4tトラックと大型トラックの2車種。


今回はそのうちの1車種、
4t車(中型トラックとも言う)について


4t車といってもボディの種類、製造メーカーによって設計はさまざまで、
荷台サイズ(全長、全幅)や積載重量は車両ごと微妙に異なります。

・標準ボディ(荷台内寸 全長6.2m、全幅2.13m)
・セミワイドボディ(荷台内寸 全長6.2m、全幅2.23m)
・フルワイドボデイ(荷台内寸 全長6.2m、全幅2.33m)

*荷台全長は6.2mよりも長い車両も短い車両ありますが、6.2mが約8割
*全幅については車両ごと数cmの前後あり


積載重量についてもボディサイズ同様、トラックにより異なりますが、
3t(=3000kg)前後積載可能な車両が多いでしょうか。

ディンギー輸送の場合、
積荷をマックスで積載した場合(ラック使用でディンギー3艇積載)でも
積荷重量が1トンを超えることはないので過積載の心配はほとんどありません。


ただし長さについては注意が必要です
我々がこれまで運搬させていただいている艇の半数以上が大学ヨット部所有艇で、
470級(全長4.7m)、スナイプ級(全長4.72m)になります。

艇の長さ(4.7m)からして、当然荷台内(6.2m)に収まるわけですが、
マストの長さは470級(約6.9m)、スナイプ級(約6.6m)と荷台より長くなるので
できる限り後部にはみ出さないよう積載していただく必要があります。

4tトラックを使用しての積載時の注意点はまだまだありますので、
今後順次解説していく予定です。



================================

今後も我々物流業界人はわかっていても
トラックユーザー皆様が
わからない、わかりにくいことについて
このブログを通じて解説していきます!

================================

私たち丸玉運送グループは
物流企業人として社会、人の役に立ち、
共に働いてくれる人材を募集しています
(ヨット部あります!)
http://recruit.marutamaunsou.co.jp/recruit/detail-yachthttp://recruit.marutamaunsou.co.jp/recruit/detail-yacht
に投稿 コメントを残す

運搬実績報告(28年5月)

いつもご利用いただきありがとうございます
少しずつ夏が近づいてきました、
セーリングの本格シーズン到来です!
IMG_2156
先月に続き今月も月間のヨット輸送実績を報告いたします



ヨット運搬艇数

65艇(28年5月)
13艇(28年4月)
78艇(28年度累計)


使用トラック数
18台(28年5月) *内4tトラック6台、大型トラック12台
9台(28年4月)
27台(28年度累計)
 
総運搬距離数
4,740km(28年5月)
4,332km(28年4月)
9,072km(28年度累計)
 


ありがたいことに5月は
運搬艇数、使用トラック数、運搬距離数
全てが4月を上回る実績となりました
6月は各地で種目別、
高校ヨット部、大学ヨット部の予選が始まるようで、
予約や問い合わせを複数いただいています
 
ご依頼いただきました皆さまの大切なヨットを
安全安心に運搬できるよう一生懸命努めてまいります

に投稿 コメントを残す

運搬実績報告

28年度になり、1ヶ月が経過しました
 
不定期ではありますが、
ヨット、または運搬に関連する情報を投稿していく予定です
 
今後の何かの参考、お役に立てれば幸いです。
 
 
今回の投稿内容は、このヨット輸送サービスにて
 
”何艇のヨット”を
”何台のトラック”で
”何キロ運搬”したのか、
 
皆さんにほとんど関係のないネタで恐縮です
 
 
『いつもヨットたくさん運んでますね!?』
 
とねぎらいのお言葉いただくものの、
実際にどれだけ運んだのかを数値化していませんでした(汗)
 
今後自戒の意味も含め月に1回集計し、アップしていく予定です。
*興味ない方が大半でしょうから読み流していただければ幸いです
 
 
28年4月実績
 
ヨット運搬艇数 
13艇(その他、船台のみ、マストのみ等)
 
使用トラック数 
4tトラック5台(内2台はクレーン付き)、大型トラック4台
 
総運搬距離
4,332km
 
 
5月以降ヨットシーズンも本格的になり、
運搬するヨットの艇数も増えていくと思われます。
 
ご依頼いただきました皆さまの大切なヨットを
安全安心に運搬できるよう、今年度も一生懸命努めてまいります!
に投稿 コメントを残す

平ボデー車にできて、ウイング車にできないこと!?

前回の投稿で、 ”積荷が雨で濡れないウイング車” について説明しましたので、
今回はウイング車(屋根あり)と対照的な平ボデー車(屋根なし)について
ご説明いたしましょう!
平ボデー
では平ボデー車にできて、ウイング車にできないこととは!?
・重量の重いレスキューボートをクレーンで積降ろしすること
・高さが2650mm以上ある積荷を積載すること
 
おさらいにはなりますが、前回投稿では下記内容をお伝えいたしました。
以下
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
さらに補足しますと、少し業界の専門的な話しになりますが、
大型トラックには高床車、中低床車、低床車という大まかに3タイプの車両があります。
高床車  = 地上から荷台高さが約1400〜1500mm(荷台内高 2200mm前後)
中低床車 = 地上から荷台高さが約1200mm(荷台内高 2500mm前後)
低床車  = 地上から荷台高さが約1000mm(荷台内高 2650mm前後)
ではトラックをチャーターする場合の費用はタイプによって異なるのでしょうか?
高床車、中低床車のチャーター料金はさほど変わりませんが、
低床車の場合、高床車、中低床車に比べ値段は10〜25%程度高くなる!のが一般的です
*理由はトラック購入費用、燃費やタイヤ等、維持費が低床車の方が高いため
あまり細かいことを覚えておいていただく必要はありませんが、
大型ウイング車をチャーターする場合、
・低床車は内高が高くて使い勝手が便利である
・しかし値段は一般的には割高である
ということを豆知識として知っておいていただければと思います。
*そんな事情からも低いラックがあれば、割高な低床車をオーダーしなくてもよい訳です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
以上、ここまで
とお伝えしましたが、
この理屈はウイング車であっても平ボデー車であっても大方同じです。
ただ異なるのは、平ボデー車は屋根がない分、
ウイング車に比べプラス10~15cm高い荷物を積載することが可能です
ウイング車の場合
高床車  = 地上から荷台高さが約1400〜1500mm(積荷高さ上限 2200mm前後
中低床車 = 地上から荷台高さが約1200mm(積荷高さ上限 2500mm前後
低床車  = 地上から荷台高さが約1000mm(積荷高さ上限 2650mm前後
  ↓
平ボデー車の場合(天井がないことにより)
高床車  = 地上から荷台高さが約1400〜1500mm(積荷高さ上限 2300mm程度

中低床車 = 地上から荷台高さが約1200mm(積荷高さ上限 2600mm程度
低床車  = 地上から荷台高さが約1000mm(積荷高さ上限 2800mm前後
*荷物を積載した状態で高さが地上から3800mmを超える場合、許可の申請が必要
>>道路法、道路交通法についてはこちら

 
と各車種において、平ボデー車の方が高い荷物を積載できることがわかると思います。
*たかが10~15cmと思われるかもしれませんが、その数センチがとても大きいのです、
皆さんも保有しているラック最上段に艇を積載し、ぜひ高さを計測してみてください。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
スクリーンショット 2015-08-29 7.21.17
(*イメージ図参照)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
まとめになりますが、一向に減少しない悲惨な交通事故等を鑑みて、
昨今、運送業界においても法令遵守や罰則が年々強化されています。
そんな世の風潮もあり、運送業者である私たちはもちろんのこと、
ご利用者皆様におかれましても、ルールを理解、遵守する意識がますます必要です。
皆様が、運送会社にヨットの輸送依頼をする際、
”自分たちの 積荷の高さは◯◯cmです!” としっかり伝えることができれば、
受付担当者も積荷の形状がよりイメージできるでしょうし、
また場合によっては割高な低床車を不必要に手配することもなくなろうかと思います。
交通ルールが守れることにより、運搬の際、より安全で時に経費節約にもつながる、
”積荷の高さ”
について是非意識されてみてください!

皆様、運送会社の双方にとって車両選定や打合わせもきっとスムーズに進むはず^^